リハビリQ&A
Q:1日のリハビリのスケジュールはどうなっていますか?
A:当院では最大3時間のリハビリ時間があります。患者さまの全身状態や予定(面会など)や病棟でのケアなどに合わせて過度な負担にならないようにリハビリ時間を調整しています。
Q:退院後のアフターフォローはどうなっていますか?
A:当院では退院後、ご本人の希望と医師の判断に基づいて外来リハ、訪問リハ、通所リハといったサービスを利用できる体制を整えています。退院後もリハビリを継続したい意向がある場合は、医師もしくはリハビリ担当者までご相談ください。
Q:リハビリ以外の時間はどう過ごすとよいですか?
A:訓練室でのリハビリ時間は最大1日3時間ありますが、それ以外の時間つまり21時間は病棟での生活になります。病棟でどう過ごすかは病気や怪我の回復に大きな影響を及ぼします。訓練室での取り組みから心身をいやすための休息を適度に取りながら、特に日中は訓練で練習した動きや活動を丁寧に実践することが回復をさらに促進します。また当院の病棟では立ち上がり運動や嚥下体操などを集団でトレーニングをする時間を設定しています。リハビリを頑張っている他患者さまといっしょに取り組むことで励ましあいながら心身の回復を促すことができます。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
Q:リハビリは辛くないの?痛くないの?
A:リハビリでの治療やトレーニングでは、基本的に心身の苦痛を伴わないように療法士が医師の指示に基づいて負荷量や回数を調整して実施しています。ただ心身の病気や怪我で難しくなった動きや活動を取り戻し、退院までに至る過程では精神的につらいことがあることも事実です。そのようなときはぜひ担当の療法士に相談してみてはいかがでしょうか。当院の療法士は精神的なサポート含めてリハビリの負荷量や回数、活動の内容を調整したプログラムを提供します。
Q:歩けるようになりますか?
A:病気や怪我の状況により異なります。「歩くこと」は移動手段の一つになります。まずは一人で行きたいところに移動でいることを目指しましょう。「歩くこと」については、そこにたどり着くまでの過程も重要です。ベッド上での寝返りや起き上がり、座る、靴を履く、立ち上がる、立つ姿勢を保つなどが自身でできることが、あることに必要な要素の一つになります。リハビリでは、歩く練習だけでなく、このように体を整えて歩く準備をする練習を重点的に行う時期もあります。
Q:早く家に帰りたい、早く仕事がしたいのですが。
A:患者様ごとに、入院でのリハビリを要する期間や復職までに要する期間は様々です。個々に計画を立てて多職種で支援していきます。
在宅生活や復職を考えるうえで、「移動」方法の確立は重要な課題の一つです。日常生活を送り、役割を担うためには、安全に移動できる必要があります。そのため、独歩・杖や装具といった補助具を使用しての歩行・伝い歩き・車いすの操作などの練習を行い、適切な移動方法の確立を図っていきます。
復職については、仕事をすることに加えて、日常生活や通勤ができることも条件となってきます。疲労の少ない実用的な移動手段で日常生活を送り、公共交通機関の利用を含めた通勤が、一か月、半年、一年と継続できるだけの運動耐久性も必要となります。
Q:手の動きを改善したい、どんなリハビリがありますか?
A:当院では手の機能回復のために、さまざまなリハビリ手法を駆使して最大限の回復を支援します。筋肉の収縮を促すため電気刺激療法やバイブレーターを使用した振動刺激療法を活用しています。そして少しでも意識的な筋肉の収縮を確認できたら療法士が筋肉の収縮を補いながら動きを誘導して一緒に動かすことを求めていきます。そしてさまざまな治療道具(輪、ボール、粘土、スポンジ、生活用品など)を使って実用的な手の動き(バランスをとる、体を支える、服の袖を通す、顔を洗う、お茶碗を持つ、箸を使う、鉛筆で字を書く)を練習していきます。手の回復のためには患者さまの強い意志と現実的で具体的な目標が大事になってきます。ぜひ担当の療法士と相談しながら根気よく取り組みましょう。
Q:作業療法ではリハビリとして折り紙や塗り絵といった子供がやるようなことをすると聞きました。なぜそのような取り組みがリハビリになるのでしょうか?
A:作業療法は心身の回復を促すために手を使う活動を積極的に導入します。手を使うことで脳の働きが促進され、無意識に足腰をささえる筋肉が働きます。そのことが生活に必要な動作や活動の土台作りになります。さらに手を使う活動に夢中に取り組むことが病気や怪我に基づく不安の軽減にも役立ち自身で動くための意欲を高めることにもつながります。折り紙や塗り絵はあくまでも例であり、必ず取り組むというわけではありません。患者さまの体の状態と興味、関心、価値観、目標に応じて手を使う活動を一緒に選んで取り組んでいきます。
Q:食べられるようになりますか?
A:病気やご本人の状態によっては食べることが困難な場合もありますが、リハビリをすることで食べられるようになる方もおられます。令和元年度は、経管栄養の状態で当院に入院された患者さまの58%が口から食べられるようになって退院されました。たとえ、全ての栄養を口から摂取できずとも、一食でも、一口でも好きなものが食べられるよう支援していきます。
Q:失語症とはどのような病気ですか?
A:失語症は脳卒中などにより、大脳皮質における言語野(言語を担当する部位)を損傷することで起こる症状です。程度は異なりますが「聴く」「話す」「読む」「書く」ことが難しくなります。相手の話していることが解らない、言いたいことが言葉にならない等の症状を呈します。コミュニケーションを阻害する要因としては、失語症以外にも、ろれつが回らなくなる「構音障害」や、声が出ない「音声障害」もあります。症状に合わせたリハビリを実施させていただきます。